問い合わせフォームは、フォーム作成ツールやCMSなどを使えば比較的簡単に作成できます。基本は、目的を整理する、設置方法を決める、必要な項目を設計する、公開前に動作確認する、の流れです。
特にBtoBで活用する場合は、単なる連絡窓口として設置するだけでは十分ではありません。どんな問い合わせを受けたいのか、その後どの部署がどう対応するのかまで含めて考えることが重要です。
本記事では、問い合わせフォームの基本的な作り方と、営業につなげるための設計ポイントを整理して解説します。
問い合わせフォームを作る前に、まず目的を整理する
問い合わせフォームを作るとき、最初に考えるべきなのは「どう設置するか」よりも、何のために作るのかです。会社サイトにフォームを置くこと自体は、それほど難しくありません。ただ、目的が曖昧なまま作ってしまうと、問い合わせは来ても、その後の対応がぶれやすくなります。
たとえば、
- どんな問い合わせを受けたいのか
- 誰が一次対応するのか
- 営業につなぐべき問い合わせは何か
が整理されていないと、フォームは単なる連絡窓口で終わってしまいます。 特にBtoBでは、問い合わせフォームが営業プロセスの入口になることも少なくありません。
だからこそ、作る前に「このフォームは何を受け取り、その後どう動くためのものか」を整理しておくことが大切です。
問い合わせフォームの基本的な作り方
問い合わせフォームの作り方にはいくつかの方法があります。
一般的には、フォーム作成ツールを使う、CMSの機能を使う、外部サービスを埋め込む、といった選択肢があります。
手軽に始めたいなら、フォーム作成ツールや外部サービスを使う方法が現実的です。一方で、自社サイト全体との連携や運用性を重視するなら、CMSや独自実装の方が向いている場合もあります。設置方法を決めたら、次に考えるべきなのがどこに置くかです。
- 会社サイトの「お問い合わせ」ページ
- サービス紹介ページ
- LP
- 資料請求ページ
など、設置場所によって受け取る反応の質は変わります。
フォームからの問い合わせを増やすために
問い合わせフォームとして機能させたいなら、相手が「聞きたい」「相談したい」と思ったタイミングで自然に見つけられる位置に置くことが重要です。その他にも、
- 入力項目を増やしすぎない
- 何を相談できるかを明確にする
- 送信後の安心感を出す
- スマホでも入力しやすい形にする
以上の点を意識してフォーム設計を行うことで、入力段階での離脱を減らすことにもつながります。
また、公開前には
- 正しく送信できるか
- 自動返信メールは届くか
- スマートフォンでも入力しやすいか
- 社内の通知先は適切か
といった点もしっかり確認しておく必要があります。
問い合わせフォームは、作って終わりではありません。公開後にきちんと受け取れ、次の対応につなげられる状態になっているかまで含めて設計することが大切です。
問い合わせフォームの設置方法をもう少し広い視点で整理したい場合は、フォーム全般の作り方を解説した別記事も参考にしてみてください。
問い合わせフォームに入れるべき項目とは
問い合わせフォームに入れるべき項目として、まず必要になるのは、
- 会社名
- 氏名
- メールアドレス
- 問い合わせ内容
といった基本情報です。これらは、相手を特定し、連絡を取るための最低限の情報として、多くのフォームで使われています。
ただ、営業プロセスへの接続を意識するなら、それだけでは少し足りないこともあります。
たとえば、
- どのサービスに関心があるのか
- どんな課題を感じているのか
- どの程度急いでいるのか
といった情報が少しでも見えていると、問い合わせ後の対応はかなりしやすくなります。
一方で、最初から細かく聞きすぎると、入力負担が増えて離脱の原因にもなります。そのため問い合わせフォームでは、最低限の基本項目に加えて、営業判断に役立つ情報を少しだけ足すくらいが現実的です。
たとえば、選択式で「関心のある内容」や「相談したいテーマ」を設けておくだけでも、その後の営業対応は変わりやすくなります。
なお、フォーム項目設計については、別記事でも詳しく整理しています。
資料請求フォームと問い合わせフォームの違い
問い合わせフォームと似た役割を持つものに、資料請求フォームがあります。どちらもWebサイト上で反応を受け取る入口ですが、目的は同じではありません。
資料請求フォームは、主に「まずは資料を見てみたい」という比較的ライトな反応を受けるためのものです。そのため、入力項目はできるだけ少なくして、送信のハードルを下げる設計が向いています。一方、問い合わせフォームは、相手が何らかの質問や相談を持って連絡してくる場です。
つまり、資料請求フォームより一歩進んだ接点になることが多い。この違いは、その後の営業対応にも影響します。
つまり、問い合わせフォームでは「何が知りたいのか」「どんな相談なのか」が少しでも見えるようにしておくことが重要になります。
また、フォームの役割の違いによって、設計すべき項目や社内フローも変わります。資料請求フォームは反応の母数を広く取る入口、問い合わせフォームはその反応を具体的な対応につなげる入口。この違いを意識しておくと、フォームの位置づけも整理しやすくなります。
たとえば資料請求フォームでは、まずは気軽に送信してもらうことが重要になるため、会社名やメールアドレスなど最低限の項目に絞った方が機能しやすい場面もあります。
一方、問い合わせフォームでは、相談内容や関心テーマが少しでも分かるだけで、その後の営業や社内対応がかなりしやすくなります。
- 資料請求フォーム
→ まずは情報提供や継続フォローが中心 - 問い合わせフォーム
→ 内容によっては営業が直接対応すべきケースもある
つまり両者の違いは、受け取る情報量の違いというより、その後にどんなアクションを想定しているかの違いです。
この視点で見ると、問い合わせフォームは「とりあえず窓口を置く」ためのものではなく、営業や顧客対応の次の動きまで含めて設計するべき導線だと分かります。
また、フォームの役割の違いによって、設計すべき項目や社内フローも変わります。資料請求フォームは反応の母数を広く取る入口、問い合わせフォームはその反応を具体的な対応につなげる入口。この違いを意識しておくと、フォームの位置づけも整理しやすくなります。
たとえば資料請求フォームでは、まずは気軽に送信してもらうことが重要になるため、会社名やメールアドレスなど最低限の項目に絞った方が機能しやすい場面もあります。
一方、問い合わせフォームでは、相談内容や関心テーマが少しでも分かるだけで、その後の営業や社内対応がかなりしやすくなります。
問い合わせ後の営業プロセスまで設計する
問い合わせフォームは、送信された時点で役割が終わるものではありません。むしろ重要なのは、そのあとです。せっかく問い合わせが来ても、
- 誰が対応するのか
- どの順番で確認するのか
- 営業につなぐ基準は何か
が曖昧なままだと、反応をうまく活かせません。
特にBtoBでは、問い合わせ内容によって、その後の動き方が変わることも多くあります。すぐに商談したい相手もいれば、まずは情報収集をしたい相手もいる。比較検討のために質問している場合もあれば、導入を前提に具体的な相談をしたい場合もあります。
たとえば、明確に商談を希望している問い合わせであれば、営業が早めに対応した方がよいでしょう。
一方で、まだ比較検討の段階にある問い合わせに対しては、すぐに商談を打診するよりも、必要な情報を整理して返す方が適切な場合もあります。
こうした違いを無視して一律に対応すると、本来すぐ動くべき問い合わせを逃したり、逆にまだ温度感の低い相手に営業色の強い接触をしてしまったりしやすくなります。
だからこそ、問い合わせフォームを設計するときは、フォームの見た目や入力項目だけでなく、問い合わせ後にどう動くかまで考えておく必要があります。
たとえば、
- 営業が優先して見るべき問い合わせは何か
- まずサポートや別部署が受けるべき問い合わせは何か
- 自動返信のあと、いつ・誰がフォローするのか
といった流れが決まっているだけでも、問い合わせ後の停滞は減らしやすくなります。
問い合わせフォームは、単なる受付窓口ではありません。営業プロセスの入口として使うなら、その後の社内フローまで含めて設計することが大切です。
問い合わせフォームは“反応の入口”である
ここまで見てきたように、問い合わせフォームは「連絡先を受け取るための仕組み」で終わるものではありません。
どんな項目を置くか。
どんな問い合わせを想定するか。
問い合わせ後にどう動くか。
そうした設計次第で、フォームは単なる受付窓口にも、営業が次の一手を決めるための入口にもなります。その意味で、問い合わせフォームは反応を受け取る場所であると同時に、営業の判断材料を得る場所でもあります。問い合わせを受けたあとに営業が止まりやすいのは、反応が少ないからではなく、その反応を営業が動ける形で扱えていないからです。
だからこそ、問い合わせフォームは「設置すること」よりも、営業が動ける形で反応を受け取れることを意識して設計する必要があります。
フォーム設計をさらに一歩進めて考えたい場合は、営業の反応をどう取得し、次のアクションにつなげるかを整理した近日公開予定の「営業反応設計」の記事も参考にしてみてください。

この記事を書いた人
渡辺 純
リコーが運営するオウンドメディアの編集長。
『RICOHビジネスクラウド:アポ取り』のプロダクトマネージャー。
新人の頃はリコージャパンで新規開拓の営業を経験し、雑談力を武器に独自の営業スタイルを確立。その後、リコーでクラウドソリューションの海外マーケティングを担当し、海外支社に対して商品立ち上げや販売施策を展開。学生時代はオランダで10年ほど過ごした帰国子女。趣味はバドミントン(社会人大会に出場)とスノーボード。
