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新規プロジェクト担当者、必読! #06

エレベーターピッチとは?30秒で相手を惹きつける5つの構成と営業・社内向け例文

わずかなチャンスに一言で心をつかむ!30秒ピッチの伝え方・つくり方。

エレベーターピッチとは、約30秒という短い時間で相手の関心を引きつけ、「もう少し聞きたい」と思わせるためのプレゼン技術です。もともとはスタートアップが投資家に向けて使う手法ですが、営業の初回接点や、忙しい上司・他部署を巻き込みたい社内コミュニケーションでも応用できます。この記事では、エレベーターピッチの意味、30秒で伝える5つの構成要素、すぐ使える営業・社内向け例文、避けたいNGパターンまでを順に整理します。

エレベーターピッチとは?

エレベーターピッチとは、ごく短い時間で相手の興味を引くためのプレゼン手法です。もともとは、スタートアップや新規事業担当者が、投資家や決裁者に向けて「エレベーターで偶然乗り合わせた短い時間の中で、自分のアイデアや企画の魅力を伝える」という考え方にあります。
一般的には30秒程度で、相手の関心を引き、「続きを聞きたい」と思わせることが目的です。そのため、内容をすべて説明するのではなく、要点を簡潔かつ魅力的に伝える構成が求められます。
エレベーターピッチという言葉の成り立ちゆえに、投資家向けの文脈で語られることが多いですが、実際には営業や社内コミュニケーションでも非常に使いやすい考え方です。

たとえば営業なら、

  • 初回接点で相手の興味を引きたい
  • 忙しい相手に短時間で価値を伝えたい
  • 商談の冒頭で空気をつかみたい

といった場面で活用できます。

また社内でも、

  • 上司に新しい企画の趣旨を一言で伝える
  • 他部署の協力を得るために価値を共有する
  • 社内プレゼンの冒頭で「聞いてみよう」と思わせる

といった場面で効果を発揮します。

つまりエレベーターピッチは、短く話す技術というより、最初の一言で相手の反応を引き出す技術と考えるとわかりやすいでしょう。

ここで大切なのは、エレベーターピッチの目的は「内容を全部伝えること」ではない、ということです。むしろゴールはその逆で、相手に“もう少し聞かせて”と思ってもらうこと にあります。

説明を始めた瞬間に、

  • 長そうだな
  • 今聞く話なのかな
  • 何が言いたいんだろう

と思われてしまうと、その時点で会話は止まりやすくなります。だからこそ、エレベーターピッチでは「圧縮された説明」よりも、相手が乗ってきたくなる一言をつくることが重要です。

エレベーターピッチの作り方|30秒で伝える5つの構成要素

では実際に、エレベーターピッチはどう作ればよいのでしょうか。営業や社内巻き込みで使うなら、まずは30秒・150字前後をひとつの目安にすると考えやすくなります。
一般的に、ニュース原稿などの話すスピードは1分300字程度と言われることが多いので、その半分である150字前後がひとつの基準になります。もちろん厳密に字数を合わせる必要はありませんが、「30秒で伝える」感覚を持つにはちょうどよい目安です。その中に、次の5つの要素を入れていくと、エレベーターピッチはかなり作りやすくなります。

エレベーターピッチの5つの構成要素

  1. 自分の立場・関わり
  2. いま感じている課題や違和感
  3. その課題にどう取り組もうとしているか
  4. 取り組みの目的や期待される効果
  5. だから今、それをやる意味があるという一言

この5要素を順番に見ると、かなり“型”っぽく見えるかもしれません。ですが実際に、この型を活かすことで、短い時間でも話が散らばりにくくなります。

1. 自分の立場・関わり

最初に入れたいのは、「自分が何者で、なぜこの話をしているのか」です。ここが曖昧だと、相手はその時点で話に乗りにくくなります。
たとえば、

  • 営業企画チームの〇〇です
  • 新規事業の立ち上げを担当しています
  • 今回この運用改善を進めている立場です

といった一言があるだけで、話の受け取りやすさはかなり変わります。

2. いま感じている課題や違和感

次に必要なのが、「なぜこの話が必要なのか」です。相手が「それ、自分にも関係あるかも」と思える入口をつくるためには、課題や違和感の共有が欠かせません。
たとえば、

  • 案件管理が属人的になっている
  • 情報共有がスプレッドシート頼りになっている
  • 顧客対応の進捗が見えにくい

など、相手が想像しやすい言葉に落とし込むことが大事です。

3. その課題にどう取り組もうとしているか

課題を出したら、次は「で、どうするのか」です。ここでは細かい説明は不要で、どんな方向で動こうとしているのかが見えれば十分です。
たとえば、

  • 一部部署で小さく運用テストを始めようとしている
  • 現場でも使いやすい仕組みを試作している
  • まずは営業フローの一部から見直そうとしている

くらいで十分、相手は全体像をつかめます。

4. 取り組みの目的や期待される効果

ここでは、その取り組みが実現すると何がよくなるのかを短く伝えます。相手にとっての意味が見えないと、話は「あなたの関心事」で終わってしまうからです。
たとえば、

  • 属人化を減らせる
  • 進捗共有がしやすくなる
  • 受注予測にも活かせる
  • 現場の負担を減らせる

といった、変化のイメージを置けると強いです。

5. だから今、それをやる意味があるという一言

最後に必要なのが、「だから今、この話をする意味」です。ここがあると、ただの説明ではなく、相手を次の会話へ引き込む一言になります。
たとえば、

  • だから今の段階で、現場の声をもらいたい
  • まずは小さく試したいと思っている
  • 今このタイミングで整理しておく意味がある

といった形です。

エレベーターピッチでは、ここまで言えれば十分です。むしろ、ここから先は相手が興味を持ったときに続けて話せばいい。つまり、30秒ピッチの目的は、納得させることではなく、続きを聞きたくなる状態をつくることにあります。

エレベーターピッチを作るときに大切なのは、共感と具体性を両立させることです。抽象的すぎると相手は引っかからず、詳細すぎると30秒の中で脱落されてしまいます。
ちょうどいいのは、相手が

  • それ、自分にも関係ありそう
  • 何をやろうとしているかはわかった
  • もう少し聞いてみたい

と思えるくらいの密度です。言い換えると、エレベーターピッチのコツは、相手を自分ごと化させる最小構成をつくることだと言えます。

エレベーターピッチの例文集|営業向け・社内向け

ここでは、エレベーターピッチの例文を、使う場面別に紹介します。そのまま丸ごと使うというより、自分の立場・課題・目的 に合わせて言い換える前提で見ると使いやすくなります。

社内で新規企画を通したいときの例

新しい企画や改善案を上司に伝える場面では、課題 → 取り組み → 期待効果が短く伝わることが大切です。

例文

営業企画チームの〇〇です。今、案件管理が属人的で、社内で進捗が見えにくいことを課題に感じています。そこで、現場でも使いやすい簡易なCRMの試作を進めていて、まずは一部部署で小さくテストしたいと思っています。案件の属人化を減らしながら、受注予測にもつなげたいんです。

ポイント

この例では、

  • 自分の立場
  • 課題
  • 何をしようとしているか
  • 効果

が素直に入っています。社内ピッチでは、大きく言いすぎないことも大事。「まず小さく試す」という温度感は、相手に受け入れられやすくなります。

初回商談の冒頭で関心を引きたいときの例

営業の初回接点では、全部を説明するよりも、「この話は自分に関係がある」と思わせることが優先です。

例文

私たちは、営業活動の中で止まりやすい「案件共有」と「次のアクション設計」を整える支援をしています。多くの企業で、案件の進捗は見えていても、その後の動きが担当者任せになりやすいんです。そこで、今ある運用を大きく変えずに、次の一手が見えやすくなる仕組みを提供しています。今日は、その部分が御社にどう合うかを短くご紹介できればと思っています。

ポイント

営業向けのエレベーターピッチでは、売り込み感を出しすぎないことが重要。課題を先に共有し、「だからこの話を聞く意味がある」と感じてもらう流れの方が入りやすいです。

異動・転職時の自己紹介で印象を残したいときの例

自己紹介でも、ただ経歴を並べるより、何に取り組んできた人なのかが伝わる方が印象に残ります。

例文

これまでは主に法人営業を担当していて、特に新規開拓の初回接点づくりに力を入れてきました。相手に話を聞いてもらえる“最初の一言”をどう作るかをずっと考えてきたので、今回のチームでもその部分では貢献できると思っています。早く皆さんの現場感覚も吸収したいです。

ポイント

自己紹介ピッチでは、自分の強みを一言で伝えつつ、これからどう関わりたいかまで入ると印象が良くなります。過去の説明だけで終わらないことが大切です。


ここまでの例文を見るとわかるように、エレベーターピッチは万能な定型文があるわけではありません。ただし、5つの構成要素に沿って考えると、自分の場面に合わせた形はかなり作りやすくなります。

営業や社内巻き込みでどう活かすか

エレベーターピッチは、スタートアップの投資家向けプレゼンだけの技術ではありません。むしろ日常の営業や社内コミュニケーションの中でこそ、使える場面が多い技術です。

営業なら、

  • 初回接点で相手の関心を引きたいとき
  • 商談の冒頭で空気をつかみたいとき
  • 忙しい相手に短時間で価値を伝えたいとき

に効果を発揮します。

社内なら、

  • 上司に企画の趣旨を一言で伝えたいとき
  • 他部署の協力を得たいとき
  • 共有会やプレゼンの冒頭で「聞く意味がある」と思わせたいとき

にかなり効きます。

つまり、エレベーターピッチは長い説明の代わりではなく、最初の反応を引き出すための装置と考えると使いやすいと言えます ここで重要なのが、自分のプロジェクトや企画の「売り」を一言で言えるかどうかという点。その整理がまだ曖昧なら、下記の関連記事もあわせて読むと、ピッチの中身を磨きやすくなります。

エレベーターピッチでよくあるNG例と改善のコツ

エレベーターピッチがうまくいかないときは、だいたい失敗の型も似ています。代表的なのは、次の3つです。

1. 長くて、結論が見えない

これは一番多いパターンです。話している本人は丁寧に説明しているつもりでも、相手からすると「で、何が言いたいの?」になりやすい。

改善のコツ

30秒で全部説明しようとしないこと。
相手が続きを聞きたくなるところで止めるくらいがちょうどいいです。

2. 主語がなく、誰の話かわからない

「今こういう課題があって…」と話し始めても、それが自分の話なのか、部署の話なのか、会社全体の話なのかが曖昧だと伝わりにくくなります。

改善のコツ

最初に「営業企画チームの〇〇です」「新規事業を担当しています」のように、自分の立場を短く入れるだけでかなり変わります。

3. 相手の温度感を無視している

どれだけ内容が正しくても、相手の状況や関心を無視したまま話すと刺さりにくいです。忙しい相手にいきなり重い話をすると、それだけで拒否感が出ることもあります。

改善のコツ

相手が今どのくらい関心を持てるかを意識すること。その場で必要なのは、納得させる説明ではなく、聞く気になる入口です。


NGを避けるコツは、結局のところ、短くすることそのものではなく、相手が受け取りやすい最小単位に整えることにあります。

相手が“続きを聞きたくなる一言”を仕込もう

エレベーターピッチの目的は、納得させることではありません。本当の目的は、相手の口から「ちょっと詳しく聞かせて」と言わせることです。言い換えるなら、次の会話を生む火種を仕込むことです。営業でも、社内巻き込みでも、最初の一言がうまくはまるだけで、その後の空気は大きく変わります。 そしてこの“最初の一言”は、単独で使うものというより、その先の会話や商談の入口です。営業の初動接点としてエレベーターピッチを使うなら、その続きの会話を生む流れとして下記の記事も参考になると思います。

あわせて読みたい|エレベーターピッチをもっと活かすために

エレベーターピッチは、反応を引き出す最初の一言です。そこから先の営業プロセスまで整えると、より実践的に活かしやすくなります。この『営業の達人ブログ』には、本文中で紹介した関連記事の他にも、参考になる記事がたくさんありますので、ぜひ読んでみてください。

ピッチで伝える“中身”を磨きたい方へ

反応のあとの会話を前に進めたい方へ

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この記事を書いた人

渡辺 純

リコーが運営するオウンドメディアの編集長。

『RICOHビジネスクラウド:アポ取り』のプロダクトマネージャー。

新人の頃はリコージャパンで新規開拓の営業を経験し、雑談力を武器に独自の営業スタイルを確立。その後、リコーでクラウドソリューションの海外マーケティングを担当し、海外支社に対して商品立ち上げや販売施策を展開。学生時代はオランダで10年ほど過ごした帰国子女。趣味はバドミントン(社会人大会に出場)とスノーボード。