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新規プロジェクト担当者、必読! #02

巻き込み力は資料の作り方より雑談力? 共感を生む話し方のコツ

何気ない「雑談」を通して相手の心を動かすためのTips。

最終更新日:2025年6月17日

「いいアイデアだと思うけど・・・ちょっと置いておこうか」

大切に温めてきた企画、満を持して上司に提案してみたものの、
こちらの熱量が伝わりきらず、期待したような反応が得られないまま
プロジェクトが止まってしまった経験、ありませんか?

アイデアには手応えがある。実現できるリソースもある。
市場のニーズにも、自社の方針にもマッチしている。
でも、なぜか空気が動かない。
それは、企画の中身や企画書の作り方のせいではなく、
企画を伝えるあなたの「話し方」に原因があるかもしれません

新しいプロジェクトを社内で動かすには、「共感してくれる味方」が必要です。
それは上司だったり、他部門の担当者だったり、
ときには社内にいる“よく知らない誰か”だったりします。

この共感を引き出す力こそが、巻き込み力。
言い換えるなら、「巻き込み力」とは、共感を生む力です。
でも、それは決して「資料が上手くまとまっている」からできるわけではありません。


資料ではなく、“雑談”こそが巻き込みの原点

多くの人が、「企画は資料で伝えるもの」と思いがちです。
もちろん、わかりやすい構成、的確な数値、ロジカルな比較は重要です。
でも、最初の共感って、会議室ではなく“その前の雑談”で生まれていることが多いんです。

  • エレベーターの中での「実は最近こんなことがあって…」
  • 社内チャットでの「これ、どう思う?」という軽い問いかけ
  • 飲み会の帰り際の「このアイデア、ちょっと聞いてくれませんか?」

こうしたラフな会話の中に、
人は“人間らしさ”を感じて、その人のアイデアを応援したくなるんです。


雑談力=「伝える」より「共に考える」

雑談というと「話術」や「ユーモア」のようなテクニックを連想しがちですが、
巻き込みに効く雑談とは、“共に考える”姿勢のことです。

たとえば、こんなふうに話してみてください。
「まだざっくりなんですけど…こういう状況って、どう思います?」
「これって、自分だけじゃなくて他の部署でも困ってたりします?」
「もしこうなったらいいなって感じてる人、社内にも結構いますよね?」
このように、“話を聞いてほしい”のではなく
“あなたと一緒に考えたい”というスタンスで話すと、相手の心がふっと開きます。


共感を生む「雑談のコツ」3選

ここでは、明日から使える具体的な“巻き込み雑談のヒント”を3つ紹介します。

【コツ①】 正解より「問い」を持って話す

「これが答えです」ではなく、「これって、どう思います?」と投げる。
人は“正しい人”より“話を聞いてくれる人”を応援します。
完璧なプランを話すよりも、「一緒に考えたい」という姿勢で話すと、相手の主体性が生まれます。

【コツ②】 「困っている話」から入る

自分が困っていた話 → 小さな気づき → それが生んだアイデア、という流れ。
たとえば:
「営業チームで“アポが取れない”って声がよく出てて…自分もその一人だったんです.
 でも、他の人にヒアリングしたら、“最初の一言が思いつかない”って声が多くて…
 そこから、“だったらその一言をテンプレ化しよう”っていうアイデアが出てきたんです。」
このように話すと、相手は「それ、うちも一緒!」と共感しやすくなります。

【コツ③】 話しながら“空気”を読む

「あ、この人、今ちょっと響いたな」
「うんうんって頷いたけど、ちょっと不安そう」
こうした相手の反応に敏感になれると、
共感のきざしをキャッチして、それを次の会話のフックにできる
ようになります。


巻き込みは、資料の「前」に始まっている

プレゼン資料はもちろん大切です。でも、
資料だけで空気を動かせる人は、ほんの一握り。
だからこそ、言葉で、雑談で、信頼関係をつくる力がものを言うんです。

  • 共感は、完璧な企画より「一緒に考えたい」という姿勢から生まれる
  • 巻き込みは、会議の場ではなく、その“前段の雑談”から始まっている
  • 雑談力とは、問いを投げ、弱みを見せ、相手を信じる力

あなたの企画が通るかどうかは、
それを応援してくれる誰かとの、何気ない会話から始まっているのかもしれません。

この記事を書いた人

渡辺 純

 

リコーが運営するオウンドメディアの編集長。

『RICOHビジネスクラウド:アポ取り』のプロダクトマネージャー。


新人の頃はリコージャパンで新規開拓の営業を経験し、雑談力を武器に独自の営業スタイルを確立。その後、リコーでクラウドソリューションの海外マーケティングを担当し、海外支社に対して商品立ち上げや販売施策を展開。学生時代はオランダで10年ほど過ごした帰国子女。趣味はバドミントン(社会人大会に出場)とスノーボード。

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