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新規プロジェクト担当者、必読! #07

営業を巻き込む“Slackひとこと術”とラポール形成のコツ

非同期だからこそ効く。“言葉の温度”で関係は変えられる。

最終更新日:2025年9月11日


会話の“入り口”が軽いと、関係は深まりやすい

「Slack、便利だけど“話しかけにくい”」
「なんて送ったらいいか分からなくて、けっきょく後回しに…」
──そんな経験、ありませんか?

社内で営業や他部署と連携したい。
でも、Slackのような“軽さが売り”のチャットツールほど、
逆に最初のひと言が難しくなることもあります。

特に、営業職は忙しそう/気軽に話しかけづらいという印象を持たれやすい存在。
だからこそ、たったひとことで“会話が進む空気”を作れる人は、
それだけで一歩先を行ける
んです。


Slackは“非同期”。だからこそ、温度がにじむ

Slackは、リアルタイムの会話とは違う“非同期コミュニケーション”です。
非同期コミュニケーションの代表的なツールとしては
SlackやTeams、メール、Chatworkなどが挙げられます。

送った瞬間にリアクションを求めない、時間差のあるやりとりで、
リアルタイムで話すよりも気軽に使える反面、
空気感や熱量が伝わりにくいという難しさもあります。

だからこそ、Slackでの“ひと言”には、
文面の温度や語尾のニュアンスが、想像以上に強く反映されるんです。


「なぜ私に?」が伝わると、一気に距離が縮まる

Slackで声をかけるときに、もっとも警戒されやすいのがこの感情です。
「え、なんで私に?急にどうしたの…?」
これを乗り越えるには、“声をかけた理由”をそっと添えること。

たとえば──

  • 「〇〇の資料、すごく参考になったのでご相談させてください」
  • 「△△で困ってて、◯◯さんの目線がヒントになりそうだと思って」
  • 「この前の案件の件で、もしご意見うかがえたらと思って」

“選ばれた理由”が伝わると、人は応えたくなるんです。

Slackは距離が近いぶん、
選び方や声のかけ方の“理由”が鍵になるんですね。


ラポールを築くSlack3ステップ

営業と良好な関係を築くには、「信頼のベース=ラポール」が不可欠。
ここでは、Slackでそのラポールを形成するための“3つのステップ”を紹介します。

ステップ1.クッションを置いて“柔らかく入る”

「突然すみません…!〇〇の件でご相談させていただけたらと…!」

  • 文頭に「すみません」「ちょっとだけ…」「ご無沙汰してます」などのクッションを添える
  • ビジネスチャットでの“文頭1行”が、空気を決める

ステップ2.“相手らしさ”に触れる共感をはさむ

「前の商談資料、めちゃくちゃわかりやすくて驚きました!」
「いつも◯◯の件で助かってて…本当にありがたいです」

  • 「さすが」「◯◯らしい」など、相手の特性を認めるコメントを添える
  • 相手を“ちゃんと見ている”一言が、信頼残高になる

ステップ3.依頼は“重さ調整”して投げかける

「少しだけお時間いただけるとうれしいです!」
「もしご負担にならなければで大丈夫なのですが…」

  • 「ちょっとだけ」「いただけたらうれしい」などで軽やかに依頼
  • 重すぎず、でも“熱意”はにじむ伝え方が理想

ラポール(rapport)とは?
フランス語で「橋を架ける」という意味。ビジネスにおいては、相手と安心感・信頼感を共有した“心理的なつながり”のこと。営業・交渉・カウンセリングなどで広く重視されている。


Slackで効く!営業巻き込みテンプレ集

テンプレといっても、“言い回しの骨”として捉えてください。
状況や相手に合わせて、アレンジして活用を!

● 共感・尊重から入る型

「◯◯の切り口、さすがでした!あの視点で、ひとつ相談してみたくて…」

● “理由+軽い依頼”型

「◯◯さんのお名前を聞いてすぐ浮かんだ件がありまして…
 少しだけお知恵いただけたらうれしいです!」

● フォロー・ラポール深化型

「先日の〇〇、すごく反響ありました!
 また今度、空いてるときにでもお話聞かせてください」


番外編:“送信タイミング”が温度を伝えることもある

  • 朝7:45:仕事モードに切り替わるタイミング
  • 金曜17:59:週内に話をつけたい“粘り”のメッセージ
  • 夜22:30:突き動かされたような熱意や思いつき感

もちろん送りすぎ・時間外の連発は逆効果
でも、“あえてこのタイミングで連絡したんだな”という空気が伝わると、
ちょっとした熱量や誠意を感じてもらえることもあるのです。


非同期時代の「信頼の作法」

営業との関係は、最初から密になるわけではありません。
Slackという“軽さ”と“遠さ”が共存する場所だからこそ、
言葉の選び方ひとつで、関係の景色は変えられます

  • 急に頼らず、“ちゃんと見ていた”ことを伝える
  • クッションを置きながら、熱意をにじませる
  • ほんの一言に、“あなたを巻き込みたい理由”を添える

Slackは単なる業務チャットではなく、信頼関係の入り口にもなれるツールです。
その一言で、次の商談も、提案も、プロジェクトの空気も、きっと変えられます。

この記事を書いた人

渡辺 純

 

リコーが運営するオウンドメディアの編集長。

『RICOHビジネスクラウド:アポ取り』のプロダクトマネージャー。


新人の頃はリコージャパンで新規開拓の営業を経験し、雑談力を武器に独自の営業スタイルを確立。その後、リコーでクラウドソリューションの海外マーケティングを担当し、海外支社に対して商品立ち上げや販売施策を展開。学生時代はオランダで10年ほど過ごした帰国子女。趣味はバドミントン(社会人大会に出場)とスノーボード。

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