営業1日のスケジュール分解:ムダを減らす“時間の再設計”

営業1日のスケジュール分解:ムダを減らす“時間の再設計”

効率としての“ムダ”ではなく、“リズム”を整えるという発想。

最終更新日:2025年12月25日


「タイパ」という言葉が一般化して久しいですが、あなたの営業としての1日は、
費やした時間に見合ったパフォーマンスを出せているでしょうか?
今回は営業の1日を分解して、そこに潜むムダを洗い出してみましょう。


イケてる日とダメな日の違いって?

忙しいはずなのに“空回り”してしまう日と、なぜかスッと進む日があります。
その違いは、作業量ではなく、
“1日のリズムが整っているかどうか” にあるのかもしれません。

メールの渦に飲まれる朝。
商談後の気持ちの落差。
夕方の判断力低下で、タスクが前に進まない──。

こうした“小さな乱れ”の積み重ねが、
アポ前の準備や、相手に向き合う余白を削ってしまいます。

この記事では、営業の1日を「時間割」ではなく
“エネルギーの波” として捉えながら、
アポの質を上げるための“リズム設計”のヒントを整理します。


営業の1日は「時間」ではなく「波」でできている

一般的に営業の1日は、メール作成・送信、顧客訪問、
提案書作成という“作業単位”で語られがちです。

しかし実際には、脳の集中力や心理状態が大きく揺れ動く「波」によって、
それらの質やスピードが左右されています。
たとえば、こんな波が見られます。

  • 9〜11時:集中のゴールデンタイム(深い思考に向く)

  • 11〜13時:注意が散りやすい時間帯

  • 13〜15時:商談後の“デフラグゾーン”(気持ちが落ちやすい)

  • 15〜17時:判断力が落ちる時間帯

  • 17時以降:疲れが顕在化する時間帯

つまり、営業の効率を上げるには、
「どの作業を、どの時間帯に置くか」を再設計することが重要なのです。


営業が陥りがちな“5つの落とし穴タイム”

ここからは、営業1日の中で起こりがちな
“リズムが乱れやすい瞬間”を見ていきます。

落とし穴①:朝イチの“メールの渦”に巻き込まれる

9時にパソコンを開いた瞬間、
大量のメール・チャット・社内確認に意識が奪われ、
気づけば10時を過ぎてしまうことがあります。
これは、集中力のゴールデンタイムを“反応”だけで消費してしまう状態。

小さな工夫

  • メールは朝・昼の「2回だけ見る」ルールにする

  • 返信が必要なものを分類して、後でまとめて処理する

落とし穴②:資料づくりが“思った以上に時間を食う”問題

10〜11時の集中力が高い時間帯に、文章やデザインの細部をいじり続けると、
意図せず時間を奪われてしまいます。
深い思考ができる時間を“整える作業”に使ってしまうのはもったいない。

小さな工夫

  • 最初に「見出し構造」だけ作る

  • レビュー基準を先に合わせておく

落とし穴③:商談後の“気持ちの落差”で何もしない時間が生まれる

商談は緊張も集中も必要な仕事。
終わった瞬間、エネルギーが一気に抜けてしまい、
15〜30分ほど“何も進まない時間”が生まれがちです。

ここが、1日の中で最も“リズムが乱れやすいポイント”。
商談後の「たった5分」で、次の行動の質が大きく変わります。

小さな工夫:商談後5分ルール

  • 商談メモをまとめる

  • 次のアクションを1つだけ決める

  • フォローメールの素案を書いておく

落とし穴④:CRM入力を夕方にまとめて“精度が落ちる”

夕方は、判断力も記憶力も低下する時間帯。
その時間のCRM入力は、抜け漏れや書き忘れなど
言葉の解像度低下が起きやすく、結果としてログの質が下がります。

小さな工夫

  • 商談直後の1分ログ

  • 「夕方に書くものを残さない」仕組みづくり

落とし穴⑤:16〜17時の“気配待ちゾーン”で時間が溶ける

この時間帯は、返信待ちや社内の承認待ち
他部署からの質問待ちなど、
“待ち時間”がポツポツ発生しやすいタイミングです。
集中しようにも、次の通知や会議が気になって前に進まない。

小さな工夫

  • 「2〜5分でできる作業リスト」を常備

  • 軽い整理や翌日の準備に切り替える


リズムを整えると、アポ前の準備に“余白”が生まれる

ここまで見てきたように、リズムが乱れるポイントを知り、整えていくことで
アポ前の準備に使える“質の高い時間”が生まれます。

とくに午前中の高集中帯に、

  • 相手のリサーチ

  • 仮説の整理

  • 質問の準備

これらを置くだけで、商談の質は驚くほど変わります。

また、商談後5分の“熱が残っている”タイミングで
次のアクションを決めると、
相手へ返すスピードと内容の精度が上がり、信頼構築にもつながります。


対話に向き合うための“余白”を取り戻す

営業の1日は、単なる“作業の連続”ではなく、
集中と回復が交互に訪れる“波”でできています。

この波を活かすようにスケジュールを再設計すると、
同じ仕事量でも、アポ前準備の質や商談後のスピード
そして判断の精度がまったく違ってきます。

リズムが整えば、日程調整や社内確認に振り回されず、
相手と向き合う時間にエネルギーを使えるようになります。

調整の摩擦を減らし、準備に集中できる余白をつくること。
それが、現代の営業にとっての
大切な設計思想だと言えるでしょう。

この記事を書いた人

渡辺 純

 

リコーが運営するオウンドメディアの編集長。

『RICOHビジネスクラウド:アポ取り』のプロダクトマネージャー。


新人の頃はリコージャパンで新規開拓の営業を経験し、雑談力を武器に独自の営業スタイルを確立。その後、リコーでクラウドソリューションの海外マーケティングを担当し、海外支社に対して商品立ち上げや販売施策を展開。学生時代はオランダで10年ほど過ごした帰国子女。趣味はバドミントン(社会人大会に出場)とスノーボード。

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